Renaissance Lute Tutor by Kenji Sano
奏法編 : 第1章 右手基礎 解放弦の練習
J.de Gheijn(1565-1629)
この人あさっての方を向いてうわの空ですが、結構ちゃんとした姿勢でリュートを構えています。
ご参考に。
まずルネサンスリュートの基本であるフィゲタの練習です。フィゲタとは強拍を親指、弱拍を人差し指で音列を交互に弾くもっとも自然な奏法です。
まず1コース上に,親指をブリッジより(手のひら側)にして親指と人差し指を自然に並べて置きます。小指は軽く表面版につけます。そのとき手首より指先までの全ての間接が内側に軽く曲がるようにします。
最初の音を下方向に親指で弾き、次の音を人差し指で弾きます。結果として太い親指が重力に引っ張られる下方向に弦を弾くことにより強拍になり、細い人差し指が戻りしなに弦にあたることにより弱拍となります。
ex.1では4種類のリズムで常に強拍は親指、弱拍は人差し指で無意識に弾けるようになるまで練習して下さい。 l が親指、・が人差し指の印です。
ex.2は小節の1拍目が弦を移行していきます。親指は1拍目を弾き終えたらすぐに1コースのポジションに戻って下さい。
ex.3は複合リズムです。強拍、弱拍が入れ替わらないように注意して1コースから6コースで練習下さい。ex.4は同リズムで弦を移行します。
ex.5はアルペジオ(分散和音)の練習です。親指が各小節の最初で弦を移っていきます。人差し指は2コース、中指(・・)は常に1コースを弾きます。手の甲の形はフィゲタのときと変わりません。まず1小節目を反復練習して形を整えて下さい。
ex.6~9は指を間違えないようにゆっくりと練習して下さい。
右手解放弦の練習はここまでです。
第2章では左手の練習に入りますが、第1章の練習が十分でないと、左指に集中することができません。リュートの場合、音の強弱や音色の変化、様々なリズムと,音楽的な要素は全て右指にあるといっても過言ではありません。自然な形を心がけ自分できれいと思う音が出るまで練習して下さい。
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