EMC
クリスタルチャペルコンサート
シリーズ2007年
平井満美子&佐野健二
演奏風景、プログラム
 


第100回
「アヴェ・マリアとイングリッシュ・キャロル」

2007年12月6日(木)7:30PM
千里阪急ホテル・クリスタルチャペル
平井満美子/ソプラノ
佐野健二/ルネサンスリュート


●本日はようこそお越し下さいました。
 1995年1月より始めましたクリスタルチャペルコンサートは今回で第100回を迎えます。これもひとえにお支え下さったお客様のお陰と感謝致しております。今回、過去のクリスタルチャペルコンサートライブ録音よりアヴェ・マリア2曲とフレンチ・キャロル2曲を選び、記念CDを作製致しました。本日ご来場いただきました皆様へのささやかなクリスマスプレゼントとさせていただきます。

 毎年12月はクリスマスのキャロルを中心としたプログラムをお聴きいただいておりますが、今年も「アヴェ・マリアとキャロル」と題し、グノー、シューベルト、カッチーニ作曲のアヴェ・マリアとイギリスのルネサンスキャロルをお聴きいただきます。
 ラテン語で「アヴェ・マリア」とは「幸いあれ、マリア」の意味。もともとローマ・カトリック教会の祈祷文のひとつであったのですが、時代を超えた普遍性故、その題材は多くの作曲家を触発しました。
 大天使ガブリエルに受胎告知を受け、救い主の母となられた聖マリアを讃える「アヴェ・マリア」は、いにしえから現代に至るまで人々に愛されているのです。

  恵みあふれるマリア、主はあなたとともにおられます。
  主はあなたを選び、祝福し、あなたの子イエスも祝福されました。
  神の母聖マリア、罪深いわたしたちのために、
  今も、死を迎える時も祈ってください。 アーメン。

 16世紀のイギリスでは神様への讃美曲にはしばしば、はやり歌が使われておりました。多くの人が集まる場所、一種の社交場と言える教会で歌われる曲としてははごく自然な成り行きとも言えます。イギリスはやり歌の代表といえばグリーンスリーブスが挙げられますが、もともとは俗っぽい恋の歌が、キャロル集に於ては新年を祝う歌詞に変えられて載せられていたりします。というわけでイギリスの古い讃美歌集には
フォークキャロルともいうべき愛すべき作品がたくさん残されています。

 では今宵、「アヴェ・マリアとイングリッシュ・キャロル」による一足早いクリスマス・コンサートをお楽しみ下さい。来年度もクリスタルチャペルコンサートをよろしくお願い申し上げます




From the Time of English Renaissance
The English Duet

programme


パヴァーヌ Pavan / Edward Collard

哀れみたまえ我が創造主 Miserere My Maker / Anon.

ああ死よ私を眠らせてくれ O death, rock me a sleep / Anon.

おやすみ やさしいニンフよ Rest Sweet Nimphs / Francis Pilkington

行け我が窓辺より Go from my window / Edward Collard

いとしいケイト Sweete Kate / Robert Jones

光の創造主 Author of light / Thomas Campion

穏やかな西風 The peaceful western wind / Thomas Campion

もしうまくいったとしたら What if I sped / Robert Jones

もしそんなに知りたいのなら If thou long'est so much to learne / Campion

ウィルはママに話した Will said to his mammy / Robert Jones


Instruments
7-course Lute in G / Martin Haycock 1990




平井満美子/ソプラノ
 神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。卒業後、古楽の演奏に興味を移し研究、 中世よりバロックまでのレパートリーを持つ、数少ない古楽の歌い手として活動して いる。多くのコンサートと録音を行い、その演奏は新聞、音楽誌等にて常に高く評価 されている。現在までに発売された佐野健二とのデュオCD6点全ては雑誌「レコード芸 術」の推薦盤に選ばれ、デュオリサイタルに対しては「大阪文化祭本賞」を受賞して いる。日本、イギリスにてE.タブと共演、好評を博す。その広い音域と澄んだ歌声は 古楽のジャンルにとどまらず、テレビコマーシャルの音楽にも活躍している。

佐野健二/ルネサンスリュート
西洋音楽学者と邦楽琴奏者を両祖父に、ピアニストの母、声楽家の伯母を持つ恵 まれた音楽環境で幼少より様々な音楽に親しみ、11歳よりギターを独学で始める。高 校卒業後、岡本一郎氏に師事、同年九州ギター音楽コンクール入賞、翌年なにわ芸術 祭で新人賞を受ける。19歳でイギリスに渡り、ロンドンのギルドホール音楽院入学、 ギター、リュート、古楽全般を学ぶ。ギターを、H.クワイン、B.オー、の各氏、ルネ サンスリュートをA.ルーリー、通奏低音をN.ノースの各氏に師事し、ギルドホール音 楽院を首席でディプロマを得る。在学中、BBC・TV主催のジュリアン・ブリーム・マス タークラスの受講生に選ばれその模様は全英に放送される。卒業後、J.リンドベルイ 氏にバロックリュートを学ぶ。内外の演奏活動に対し、「ジョン・クリフォード・ペ ティカン賞」「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」 「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化 祭賞」(二回)を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・ 伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族 音楽より現代音楽にまで及んでいる。相愛大学非常勤講師。アーリーミュージックカ ンパニー主宰。


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