EMC
クリスタルチャペルコンサート
シリーズ2007年
平井満美子&佐野健二
演奏風景、プログラム


第95回
CD発売記念 S.L.ヴァイス「不実な女」

2007年2月1日(木)7:30PM
千里阪急ホテル・クリスタルチャペル
佐野健二/バロックリュート


  アーリーミュージックカンパニーではこの度EMCRecordsをCDレーベルとして設立致しました。今宵の演奏会は、本日2月1日リリースのEMC Records第一弾ヴァイスCD発売記念コンサートとして佐野健二のバロックリュートソロでヴァイスの作品をお聴き頂きます。
 リュートを知り尽くし600曲に近い作品を残したヴァイスの音楽は後期バロックのリュート音楽の最高峰であり、ルネサンスからバロックへと続いたリュート音楽の隆盛の最後を飾るにふさわしい響きを我々に残してくれました。 
 ヴァイスの楽譜の多くはロンドンとドレスデンの図書館に残されていますが、不思議な事にモスクワの博物館の音楽部門にも少なからずヴァイスの名作が所蔵されています。
 ソナタとパルティータはバロック後期において、17世紀初頭フランスのリュート奏者達によリ確立された舞曲の集まりである「組曲」と同様の意味をなしていました。
「組曲」とは、アルマンド・クーラント・サラバンド・ジグを基本とし、冒頭にはプレリュードなどが、4つの基本の舞曲の間にはガヴォット、ブーレ、メヌエット、シャコンヌ、パッサカリアなど様々な世俗の舞曲が挿入された、聴く音楽としても確立された変化にとんだ形式です。
 本日使用する楽器はドイツバロックのリュート独奏に最も適したジャーマンテオルボと称されるバロックリュートです。13コース、24弦を張ったこの楽器は、通常のバロックリュートよりも長い低音弦を持ち、優雅なアーチリュート形状のスワンネックを特徴とする楽器で、リュートの最終形とも言えるものです。
 バッハやヴァイスといったドイツの後期バロックの巨匠たちはこの楽器の為に多くの優れた作品を作り出しました。その繁栄故、リュートは心残りなくその後の深い眠りにつく事が出来たのでしょう。



Sylvius Leopoldo Weiss (1686~1750)

programme

Sonata  L'Infidele
ソナタ 不実な女
The London Manuscript
Entree
Courante
Saraband
Menuet
Musette
Paysane

Partita in D
パルティータ ニ長調
The Moscow "Weiss" Manuscript
Vivace (Allemande)
Courante
Bourree
Sarabande
Presto

Kenji Sano / Baroque Lute
Instrument = Martin Haycock 2002




佐野健二/バロックリュート
西洋音楽学者と邦楽琴奏者を両祖父に、ピアニストの母、声楽家の伯母を持つ恵まれた音楽環境で幼少より様々な音楽に親しみ、11歳よりギターを独学で始める。高校卒業後、岡本一郎氏に師事、同年九州ギター音楽コンクール入賞、翌年なにわ芸術祭で新人賞を受ける。19歳でイギリスに渡り、ロンドンのギルドホール音楽院入学、ギター、リュート、古楽全般を学ぶ。ギターを、H.クワイン、B.オー、の各氏、ルネサンスリュートをA.ルーリー、通奏低音をN.ノースの各氏に師事し、ギルドホール音楽院を首席でディプロマを得る。在学中、BBC・TV主催のジュリアン・ブリーム・マスタークラスの受講生に選ばれその模様は全英に放送される。卒業後、J.リンドベルイ氏にバロックリュートを学ぶ。内外の演奏活動に対し、「ジョン・クリフォード・ペティカン賞」「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭賞」(二回)を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。相愛大学非常勤講師。アーリーミュージックカンパニー主宰。


クリスタルチャペルコンサート2007へ戻る