EMC
クリスタルチャペルコンサート
シリーズ2005年
平井満美子&佐野健二
演奏風景、プログラム

第88回
アヴェ・マリア&キャロル

2005.12.21.
平井満美子/ソプラノ 佐野健二/リュート

2005.20.21.



 2005年度最後のクリスタルチャペルコンサートは、季節柄クリスマスの曲を中心に「古き良きイギリスのフォーク・キャロル」と「アヴェ・マリア」をお聴きいただきます。

 「アヴェ・マリア」とはラテン語で「幸いあれ、マリア」の意味。
大天使ガブリエルに受胎告知を受けられたマリア様。聖なる母を賛美するため歌曲「アヴェ・マリア」はルネサンスの時代から現代まで世界中の人々に愛されてきました。もともとローマ・カトリック教会の祈祷文のひとつである「アヴェ・マリア」はその時代を超えた普遍性故、古今の様々な作曲家を触発し名曲を生み出させました。本日演奏致しますグノーとシューベルトはその代表とされ、グノーの作品は大バッハの最も有名な前奏曲の調べにメロディーを付けた物です。

  恵みあふれるマリア、主はあなたとともにおられます。
  主はあなたを選び、祝福し、あなたの子イエスも祝福されました。
  神の母聖マリア、罪深いわたしたちのために、
  今も、死を迎える時も祈ってください。 アーメン。

 キャロル“Carol 讃美歌”とは神を讃える歌。古今東西のキリスト教徒の人々は、神様への讃美を様々な音楽にのせて表しました。例えばイギリスの片田舎の小さな教会。そこは村の人々の生活に中心であり、皆が集まる場所、一種の社交場でもあるのです。そんな教会で信仰を表す歌にみんなの知っているメロディーを使う事はごく自然な成り行きであり、音楽とキリスト教が人々の生活に根差していることの現われでもあります。

 旋律の心地よさゆえに、世界中で親しまれているイギリスのはやり歌には、地域や時代差で色々な歌詞を見い出すことができます。そして、現代の讃美歌集にも数多くのフォークキャロルというべき愛すべき作品が収められており、本日演奏する「夜まわりの歌 The Bellman's Song」のメロディーも、イギリスの伝承動揺であるマザーグースの唄では「コールの王様」として親しまれている名曲です。
 それでは今宵、メロディーの美しさでは定評のあるイギリス古謡の響きに乗せた「キャロル」と、古典時代の代表的「アヴェ・マリア」をお楽しみ下さい。


English Folk Carols & Ave Maria
Mamiko Hirai & Kenji Sano

programme

アルペジオ Arpeggio / Giovanni Zamboni ザンボーニ

《Ave Maria アヴェ・マリア》

グノー C. Gounod / J. S. Bach
シューベルト Franz Shubert

《English Folk Carols》

愛は甦る
Love is Come Again

ウェックスフォード・キャロル
Wexford Carol

夜まわりの歌
The Bellman's Song

リュートブック・ララバイ
Lute Book Lullaby

向こうの森の中に
Down in yon forest

天使ガブリエル
The Angel Gabriel

東国の三人の王
Kings of Orient

そっと揺らして
Rocking

使用楽器
14-course Archlute in G = Martin Haycock 1999 pitch a' = 415 Hz.
7-course Renaissance lute in G = Martin Haycock 1990 pitch a' = 440Hz.


平井満美子/ソプラノ
 神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。卒業後、古楽の演奏に興味を移し研究、中世よりバロックまでのレパートリーを持つ、数少ない古楽の歌い手として活動している。多くのコンサートと録音を行い、その演奏は新聞、音楽誌等にて常に高く評価されている。現在までに発売された佐野健二とのデュオCD6点全ては雑誌「レコード芸術」の推薦盤に選ばれ、デュオリサイタルに対しては「大阪文化祭本賞」を受賞している。日本、イギリスにてE.タブと共演、好評を博す。その広い音域と澄んだ歌声は古楽のジャンルにとどまらず、テレビコマーシャルの音楽にも活躍している。

佐野健二/リュート
 英国・ギルドホール音楽院首席卒業。ギターを岡本一郎、H・クワイン、B.オー、J・ブリームの各氏、リュートをA.ルーリー、N.ノース、J.リンドベルイの各氏に師事。演奏活動に対し、「ジョン・クリフォード・ペティカン賞」「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭賞」(二回)を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。相愛大学音楽学部非常勤講師。


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