EMC
クリスタルチャペルコンサート
シリーズ2005年
平井満美子&佐野健二
演奏風景、プログラム

第86回
ブロークン・コンソート

2005.08.31.
平井満美子/ソプラノ 佐野健二/リュート

2005.08.31.



 ブロークン・コンソートとは異種楽器合奏の意味。1599年に出版されたトーマス・モーレー編纂による合奏曲集「コンソ−ト・レッスンズ」にはイギリスルネサンス後期の名曲がブロークン・コンソートの形式で25曲収められています。この本は、完成度の高いアンサンブル曲集としてのみならず、初めて楽器指定が明記された出版物として、西洋音楽史に於いては重要な文献のひとつとされています。
 今宵は平井、佐野に加え、オリジナル楽器の共演者たちによる、「ブロークン・コンソート」の響きをお楽しみ下さい。


共演者プロフィール
●河内知子/バロック・ヴァイオリン
県立西宮高校音楽科、京都芸術大、同大学院修了。95年渡米、インディアナ大にてバロックに転向、パフォーマーディプロマ取得。同大学のヴァイオリン製作室にて助手を勤める。モダンを岩淵龍太郎、バロックをStanley Ritchie, Gesa Kordes,製作をThomas Sparks各氏に師事。現在使用の楽器は本人作。
●松森直子/バロック・フルート
13歳よりフルートを始める。その後古楽に興味を持ち、1999年よりフラウト・トラヴェルソを中村洋彦氏に師事。福岡古楽音楽祭にて有田正広氏のセミナーを受講。ジョン・タイソン氏のマスタークラスを受講。通奏低音を佐野健二氏に師事。現在、EMCのアンサンブルの会に参加、研鑽を積む。
●大西万喜/ヴィオラ・ダ・ガンバ
大阪音楽大学音楽学部作曲学科楽理専攻卒業。在学中よりリコーダーの演奏活動を行うが、卒業後はヴィオラ・ダ・ガンバに興味を持ち、福沢宏、平尾雅子の両氏に師事。また通奏低音を佐野健二氏に師事。2004年度イタリア政府給付金留学生として、イタリア国立トリノ音楽院ヴィオラ・ダ・ガンバ科に入学。現在、グイド・バレストラッチ氏の下で研鑚を積む。
●小出智子/リュート、ルネサンスギター(シターン調弦)
中学・高校在学中にギターマンドリンクラブに所属。これを機にモダンギターを渡辺滋生氏に師事。その後古楽に興味を移し、2003年よりEMCに参加。平井満美子・佐野健二両氏にリュートソングを、佐野氏にルネサンスリュート・通奏低音を師事。昨年にはポール・オデット氏のマスタークラスを受講。
●松森一弘/リュート、アーチリュート(バンドーラ調弦)
13歳よりギターを始め、高校ではギター部、大学ではギターマンドリンクラブに所属。大学在学中より佐野健二氏にギターを習い始め、その後リュートに転向。通奏低音・リュートを佐野健二氏に師事。ポール・オデット氏のマスタークラス、古楽祭にて今村泰典氏、つのだたかし氏のセミナーを受講。現在、EMCにて研鑽を積む。




Broken Consort

programme

《Lute Solo》
ファンタジア Fantasia
John Dowland ダウランド

《Voice & Lute》
言ってくれ 誠の愛よ Tell me true love
John Dowland ダウランド
どこにおまえを探せばいいのか? 言葉 約束のなかに?
おまえは不死のはず どうして現代から追放されたのか?

《Voice & Lute with Violin & Viol 》
倦み疲れた我が命よ Lasso vita mia(mp3 3.2MB)
John Dowland ダウランド
むごい愛が無数のキズで僕の心をやつれさせ 死なせる
ああお願いだ 僕を死なせる気がないのなら
殉教の苦しみを存分に味わわせておくれ

《Lute Trio》
ダウランドのラクリメ Lachrimae Doulande(mp3 3.4MB)
Jean-Baptiste Besard ブザール

《Broken Consort》
涙のパバーヌ Lachrimaw Pavan(mp3 3.6MB)
John Dowland ダウランド

行け我が窓辺より Goe from my window
Richard Allison アリソン

トロンバ・パバーヌ De la tromba Pavin
Richard Allison アリソン

《Voice & Broken Consort》
僕の受けた苦しみを Galliard Can she excuse
John Dowland ダウランド
私の思いを拒む非常なあの人を心優しい人と呼べる?
千度も死ぬ方がましだ このように苦しみながら生きるよりは・・・
おぼえていてくれ 僕は君のために心満ち足りて死んだのだと


平井満美子/ソプラノ
 神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。卒業後、古楽の演奏に興味を移し研究、中世よりバロックまでのレパートリーを持つ、数少ない古楽の歌い手として活動している。多くのコンサートと録音を行い、その演奏は新聞、音楽誌等にて常に高く評価されている。現在までに発売された佐野健二とのデュオCD6点全ては雑誌「レコード芸術」の推薦盤に選ばれ、デュオリサイタルに対しては「大阪文化祭本賞」を受賞している。日本、イギリスにてE.タブと共演、好評を博す。その広い音域と澄んだ歌声は古楽のジャンルにとどまらず、テレビコマーシャルの音楽にも活躍している。

佐野健二/リュート
 英国・ギルドホール音楽院首席卒業。ギターを岡本一郎、H・クワイン、B.オー、J・ブリームの各氏、リュートをA.ルーリー、N.ノース、J.リンドベルイの各氏に師事。演奏活動に対し、「ジョン・クリフォード・ペティカン賞」「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭賞」(二回)を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。相愛大学音楽学部非常勤講師。


クリスタルチャペルコンサート2005へ戻る