EMC
クリスタルチャペルコンサート
シリーズ2004年
リュートソングの様々
平井満美子&佐野健二
演奏風景、プログラム

第82回
ルネサンス・キャロル

2004.12.15.
平井満美子/ソプラノ 佐野健二/リュート、オルファリオン

2004.12.15.



2004年度、最後のクリスタルチャペルコンサートはクリスマスの讃美歌を中心とした「ルネサンス・キャロル」です。
 キャロル“Carol 讃美歌”とは神を讃える歌。古今東西のキリスト教徒の人々は、神様への讃美を様々な音楽にのせて表しました。
 ヨーロッパの教会は人々の生活に中心にあり、多くの人が集まる場所、一種の社交場とも言えるかもしれません。そんな教会で信仰を表す歌にみんなの知っているメロディーを使う事はごく自然な成り行きであり、音楽とキリスト教が人々の生活に根差していることの現われでもあるでしょう。
 例えば、イギリスのはやり歌の代表とされるグリーンスリーブスはもともと俗っぽい恋の歌なのですが、キャロル集に於ては新年を祝う歌詞に変えられて載せられています。
 旋律の心地よさゆえに、世界中で親しまれているはやり歌には、地域や時代差で色々な歌詞を見い出すことができます。そして、クリスマスの季節には多くのはやり歌の替え歌が救い主の誕生を祝いました。
 現代の讃美歌集にもヨーロッパ各国の様々な時代のフォークキャロルともいうべき愛すべき作品がたくさん収められています。
 今宵はそんなキャロル集より歌とリュート、オルファリオンによる、ルネサンスのクリスマス讃美をお楽しみ下さい。



Renaissance Carols

programme

《French Carols》
パタパン Patapan
たいまつかざして Un Flambeau

《German Carols》
厳しさのなかで人の子よ Mit Ernst, O Menschenkinder
マリアはあゆみぬ Maria durch ein' Dornwald ging
まぶねのかたえにわれは立ちて Ich steh' an deiner Krippe hier

《English Carols》
愛は甦る Love is Come Again
クリスマスを讚えて The Prise of Christmas
グリーンスリーブス Greensleeves
ウェックスフォード・キャロル Wexford Carol
リュートブック・ララバイ Lute Book Lullaby
天使ガブリエル The Angel Gabriel
東国の三人の王 King of Orient
そっと揺らして Rocking

Instrument
7-course Lute = Martin Haycock 1990
9-course Orpharion = Stephen Barber 1990

平井満美子/ソプラノ
 神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。卒業後、古楽の演奏に興味を移し研究、中世よりバロックまでのレパートリーを持つ、数少ない古楽の歌い手として活動している。多くのコンサートと録音を行い、その演奏は新聞、音楽誌等にて常に高く評価されている。現在までに発売された佐野健二とのデュオCD6点全ては雑誌「レコード芸術」の推薦盤に選ばれ、デュオリサイタルに対しては「大阪文化祭本賞」を受賞している。日本、イギリスにてE.タブと共演、好評を博す。その広い音域と澄んだ歌声は古楽のジャンルにとどまらず、テレビコマーシャルの音楽にも活躍している。

佐野健二/リュート、オルファリオン
 英国・ギルドホール音楽院首席卒業。ギターを岡本一郎、H・クワイン、B.オー、J・ブリームの各氏、リュートをA.ルーリー、N.ノース、J.リンドベルイの各氏に師事。演奏活動に対し、「ジョン・クリフォード・ペティカン賞」「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭賞」(二回)を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。相愛大学音楽学部非常勤講師。


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