EMC
クリスタルチャペルコンサート
2003年
演奏風景、プログラム

佐野健二のリュート音楽の楽しみ第50夜
シェイクスピアの音楽
Shakespeare Music
2003.03.06.


平井満美子/ソプラノ 佐野健二/ルネサンスリュート、オルファリオン
2003.03.06.


1995年1月から始めましたクリスタルチャペルコンサートシリーズ「佐野健二のリュート音楽の楽しみ」は、今夜で第50回を数えます。これもひとえにご来場頂いた皆さまのお陰と感謝致します。本日は「シェイクスピアの音楽」と題し、時代と国境を越え多くの人々を魅了しているシェイクスピアの作品にまつわる音楽、リュートの最も栄えた16世紀後半の劇音楽をお聴き下さい。
 シェイクスピアの時代、すなわちエリザベス一世の統治化のイギリスでは音楽は貴族から庶民まで広く浸透し、語学、文学、演劇、同様教養のひとつとしてとらえられておりました。シェイクスピア劇からは500ヶ所以上の音楽に関するせりふを見つけることが出来ます。舞台芸術に於て、現代の様に電気仕掛けの設備や様々な照明のない当時、情景描写は多分にお客様のイマジネーションに委ねられていたのです。ひとつの舞台が、あるときは恋人たちの密室での語らい、そしてあるときは何千もの兵士たちの戦いの場面に変貌しないといけないのですから、想像力にとぼしい人にとっては「どないなってんねん」というような事だったかもしれません。シェイクスピア劇に取り音楽は、実際に舞台で役者が心情や情景を歌うもの、戦いや舞踏会の場面で演奏される現実的な音楽、そして微妙に揺れる恋心等を表現する抽象的なイメージ音楽、等に大別されますが、それらは観衆の想像力を高めるという大きな役割を持ち、音楽はエリザベス朝演劇において現代以上に重要な存在であったことが想像されます。  それでは今宵、私共の演奏が皆様方の想像力を刺激し、お一人お一人のシェイクスピア音楽をお楽しみ頂ければ幸いです。



Programme

Kemp's Jig ケンプのジグ / Anon.

≪十二夜≫
Farewell, dear love さよなら、いとしのひとよ / Robert Jones
O Mistress Mine おお、私の姐さん / ThomasMorley
When that I was and a little tiny boy 俺が小さな餓鬼のころ / Anon.

Pavan パヴァーヌ/ Edward Collard

≪ロメオとジュリエット≫
Where griping grief ひどい悲しみが・・・ / Richard Edward (?)
Heart's ease 心の慰め / Anon.

Tarlton's Resurrection タールトンの復活 / John Dowland

≪オセロー≫
Willow song 柳の歌 / Anon.

Interval 休憩

≪ウィンザーの陽気な女房たち≫
Greensleeves グリーンスリーブス / Anon.
Fortune my foe わが敵運命よ / Anon. / J.Dowland

The leaves be Green 木々は緑に / Anon.

≪あらし≫
Full fathom five 五尋の深みに / John Johnson
Where the bee sucks 蜂が蜜吸うところで / J.Johnson

≪ハムレット≫
Walsingham ウォルシンハム / J.Dowland

≪お気に召すまま≫
Under the greenwood tree 緑の木の下で / Anon.
It was a lover and his lass それは恋人たち / T.Morley


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