EMC
クリスタルチャペルコンサート
2003年
演奏風景、プログラム
佐野健二のリュート音楽の楽しみ第49夜
ルネサンスの変奏と即興
Renaissance Diminutions and Improvisations
2003.01.21.
平井満美子/ソプラノ ジョン・タイソン/リコーダー 佐野健二/ルネサンスリュート
「佐野健二のリュート音楽の楽しみ第49夜」は、「ルネサンスの変奏と即興」と題して、16世紀イタリア、フランス、イギリスの音楽を演奏致します。
ルネサンス時代の均整のとれたポリフォニー音楽(多声音楽)は合唱を基盤としており、同時代の器楽曲も声楽曲より派生されたものとしてとらえられていました。しかし言葉(歌詞)を持たない器楽たちは自己主張のため、即興的に旋律をディヴィジョンと呼ばれる技法で装飾し、それが変奏曲等の確立へとつながっていきました。またルネサンスは舞曲の時代とも言われ、人々は日常的な楽しみとしてさまざまな踊りを楽しんでいました。二拍子系のゆったりとしたパヴァーヌ、それに続く三拍子系の軽快なガリアルドはルネサンスを代表する舞曲として愛好され、その形式にのっとった優れた変奏曲が数多く残されています。
それでは今宵、歌とリコーダー、リュートによる、ルネサンス最盛期の響きをお楽しみ下さい。
Programme
Signor mio caro 私の大切な人 / Recorder & Lute
Ma belle si ton ame 私のいとしい人よ / Voice & Lute
Celeste Giglio from "Nobilta di Dame" (1600) 天の白ユリ / Recorder & Lute
Ung gay bergier 陽気な羊飼い / Recorder & Lute
Madonna, quel certezza 愛の証はいとしい人 / Voice & Lute
Vita della mia vita 私の人生である命 / Voice & Lute
Ricercarリチェルカーレ / Lute solo
Ostinato vo' seguire 辛抱強くあなたに従う / Voice & Lute
Tant que vivray 花咲く日々に / Voice, Recorder & Lute
休憩
Petite fleur coincte et jolye 美しい小さなひとつの花/ Voice & Recorder
Petite fleur coincte et jolye / Recorder & Lute
< Cesare Negri(c.1535~after1604)>
Bizzarria d'Amore 愛の神の奇行 from "Le Gratie d'Amore" (1602) / Re & Lu
Can she excuse my wrong 彼女はいいわけできようか? / Voice & Lute
Piper's Pavan パイパーのパヴァーヌ / Lute solo
If my complaints もし僕の歎きが / Voice, Recorder & Lute
Alix avoit aux dens la marlerage アリックスの歯痛 / Recorder & Lute
Se ben mi ch'a bon tempo 誰が幸せを知っているのか / Voice, Recorder & Lute
平井満美子/ソプラノ
神戸女学院大学音楽学部声楽科卒業。卒業後、古楽の演奏に興味を移し研究、中世よりバロックまでのレパートリーを持つ、数少ない古楽の歌い手として活動している。多くのコンサートと録音を行い、その演奏は新聞、音楽誌等にて常に高く評価されている。現在までに発売された佐野健二とのデュオCD6点全ては雑誌「レコード芸術」の推薦盤に選ばれ、デュオリサイタルに対しては「大阪文化祭本賞」を受賞している。日本、イギリスにてE.タブと共演、好評を博す。その広い音域と澄んだ歌声は古楽のジャンルにとどまらず、テレビコマーシャルの音楽にも活躍している。
ジョン・タイソン John Tyson/リコーダー
フランス・ブリュッヘンに学び、現在アメリカにおいて最も国際的に活躍しているリコーダー秦者の一人である。Erwin Bodky 国際コンクールに優勝し、イタリア、ドイツ、イギリス、スコットランド、チリ、カナダ、スペイン、台湾、そしてアメリカ全土の主要アンサンブルのソリストとして演奏活動を行っている。彼のソロCD「Something Old Something New」の収録曲はバロック音楽より現代の作品にまで及び、アメリカン・リコーダー誌に“重要な新録音”と絶賛される。即興演奏も得意としルネサンス音楽の即興グループ「ルネソニックRenaissonics」を主催している。ボストンのニューイングランド音楽院で教鞭を取り、毎夏イタリア・ウルビーノで行われる古楽講習会の講師も努めている。
佐野健二/リュート
英国・ギルドホール音楽院首席卒業。ギターを岡本一郎、H・クワイン、B.オー、J・ブリームの各氏、リュートをA.ルーリー、N.ノース、J.リンドベルイの各氏に師事。演奏活動に対し、「ジョン・クリフォード・ペティカン賞」「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭賞」(二回)を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。朝日カルチャーセンター、相愛大学音楽学部非常勤講師。
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