クリスタルチャペルコンサート
佐野健二のリュート音楽の楽しみ 2000年
演奏風景、解説、プログラム

"No.36-愛は甦る LOVE IS COME AGAIN"
2000.11.29.


平井満美子/ソプラノ
佐野健二/リュート、オルファリオン、

2000.11.29. 2000.11.29.


 20世紀最後の「佐野健二のリュート音楽の楽しみ第36夜」は、「愛は甦る・LOVE IS COME AGAIN」と題して、The Turpin Book of Lute Songsよりのリュートソング、ルネサンス後期のリュートソロ、そしてイギリス・ルネサンスのフォーク・キャロルを演奏致します。
 The Turpin Book of Lute Songs は17世紀の初頭にイギリスで編纂されたリュート歌曲集で4名の作曲家と作者不詳の作品12曲が収められています。規模こそ小さな写本ですが、そこにはイギリス後期ルネサンスの真髄を見いだす事が出来ます。第一部はその写本より歌4曲とダウランドを中心としたリュートソロをお聴き下さい。
 本日のタイトル「愛は甦る」はルネサンス・イギリスのキャロルです。キャロル“Carol”とは賛美歌の意味。賛美歌とは神を賛える歌。16世紀イギリスの人々は、はやり歌の旋律にのせて救い主の誕生を祝いました。イギリスのはやり歌は、グリーンスリーブスに代表される様に、旋律の心地よさゆえに、世界中で親しまれています。これらのメロディーには、地域や時代差で色々な歌詞を見い出すことができます。そして、イギリスの人々は『キャロル Carol』の旋律に、ごく自然にはやり歌を使いました。音楽とキリスト教が人々の生活に根差していることの現われでもあるでしょう。
 それでは今宵、リュートが最ももてはやされたイギリス後期ルネサンス音楽と、ひと足早いクリスマスをルネサンス・スタイルでお楽しみ下さい。



programme

《 The Turpin Book of Lute Songs 》
*パヴァーン
*A Pavan / Edward Collard
しばし、休んでおくれ・・・
Rest Awhile, you cruel cares / John Dowland
*男と女
*Solus Cum Sola / John Dowland
この歓びの春に
This merry pleasant spring / Anon.
これ以上の悲しみは・・・
No grief is like to mine / Roberty Parsons
*ウォルシンハム
*Walsingham / John Dowland
哀れみたまえ、我が創造主
Miserere my Maker /Anon.
*ファンシー
*A Fancy / John Dowland?
*lute solo

Interval 休憩

《The English Folk Carols 》
愛は甦る
Love is come again
忘れるな
Remember
夜まわりの歌
The Bellman's song
向こうの森の中に
Down in yon forest
リュート・ブック・ララバイ
Lute-book Lullaby
天使ガブリエル
The angel Gabriel
東国の三人の王
Kings of Orient
そっと揺らして
Rocking Lullaby


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